車軸にホイールをつなげるために使用されているホイールナット。
新品タイヤに交換するときや、スタッドレスタイヤに履き替えるときなど、タイヤ交換を行うときにはホイールナットも着脱します。
ホイールナットには、袋ナット以外にも貫通ナットがあります。
貫通ナットには袋ナットにはないメリットやデメリットが存在します。
この記事では、袋ナットとの違いや、貫通ナットのメリット・デメリット、販売しているメーカーなどを紹介します。
貫通ナットの特徴
貫通ナットは、ホイールに取り付けたときにハブボルトがむき出しになるナットです。
スチール製やアルミ製、チタン合金製の貫通ナットが販売されています。
貫通ナットにはどんな特徴があるのか見てみましょう。
長いボルトを使ってもしっかりと締めれられる
ネジ穴が筒抜けになっているのが貫通ナットです。
袋ナットのようにネジ穴が塞がれていないために、長いハブボルトにも使用できます。そのため、長いハブボルトでもナットをしっかり締められます。
センターキャップのあるホイールでも使用可能
ホイールを車軸に固定するときに貫通ナットを使用したときは、ホイールボルトがナットからはみ出ます。
ボルトがはみ出るので見た目はよくありませんが、センターキャップを取り付けられます。
センターキャップのあるホイールを使うならば、貫通ナットが必要となるでしょう。
ドレスアップ効果が高い
純正の日本車の多くは袋ナットでホイールを固定し、レースカーは貫通ナットを使っている場合が多いです。
イメージとしては、貫通ナットの方がスタイリッシュです。
ナットに蓋をしている袋部分が見えるのが袋ナットであり、ホイールを固定したときに使うと袋部分が見える形になります。
袋部分のデザイン性はあまりないために、どの袋ナットを使っても似た見た目です。
貫通ナットはナットの外観部分や天井部分のデザイン性が高いために、スタイリッシュなナットもあります。袋ナットよりもドレスアップ効果が高いと言えるでしょう。
貫通ナットと袋ナットの違いと特性
貫通ナットはネジ穴が空いているナットであり、袋ナットはネジ穴が片方塞がれているナットです。
ナットを見たときに、ネジ穴が筒抜けになっているか、それとも片方側で見えなくなっているかで、貫通ナットか袋ナットかが見分けられます。
貫通ナットはナットを短く作れるので、センターキャップのあるホイールでも使用可能です。ナットをいれる穴が見えているホイールは、袋ナットが適しています。
貫通ナットがおすすめの人
貫通ナットは、レースカーはもちろん市販車でも使用できます。
どんな人向けのナットか紹介します。
長いハブボルトを使いたい人
貫通ナットはネジ穴が空いているために、長いハブボルトでも使用できます。全長の長いハブボルトを使いたいならば、貫通ナット一択です。
長いハブボルトを使うときに、袋ナットで止めると完全に締められないおそれがあります。
ナットの高さを低くしたい人
貫通ナットは袋部分が必要ないために、ボルトが通るネジ穴さえ空いていれば良いです。
袋部分がいらないために、ナット全長を短くできます。ナットの高さを低くしたいときには、貫通ナットが向いています。
ホイールキャップのあるホイールを使う人
袋ナットよりも全長を短くできる貫通ナットは、ホイールキャップを取り付けるときに使うと都合が良いです。
ホイールキャップを取り付けるときに袋ナットを使うと、キャップがつけられないときがあるので注意しましょう。
車のホイールにホイールキャップを付けるときは、貫通ナットを使います。
貫通ナットのメリット
貫通ナットにはどんなメリットがあるのか紹介します。
汚れが内部に溜まらない
ネジ穴が筒抜けになって開いている貫通ナットは、ネジ穴内部に汚れが溜まりません。
綺麗な状態を保てるので、ホイールナット交換時にもナットの汚れを気にする必要がないでしょう。汚れないので、ハブボルトも汚す心配がありません。
ハブボルトの突き出しが長くても使える
長いハブボルトを使用すると、ナットからの突き出し部分が長くなります。
そんな突き出し部分が長くなった場合でも、貫通ナットならばボルトをしっかり締められます。
ボルト全長が長いハブボルトを使うときに適しているのが貫通ナットです。
貫通ナットのデメリット
貫通ナットにはデメリットも存在するので紹介します。
雨水が入り錆びることがある
ネジ穴が塞がっていないために、雨が降れば雨水が入り込みます。そのために、貫通ナットのネジ穴部分は雨水によって錆びる可能性があります。
錆びるとナットを外せなくなることがあるので、錆対策を行った方が良いでしょう。
取り付け向きを間違えやすい
貫通ナットの両端は、フラットになっている部分と斜めになっている部分があります。
ナットの先端が斜めになっている部分がテーパー座であり、ホイールのナットが密着する部分も斜めのテーパーになっているタイプが多いです。
このナットのテーパー部分をホイール側にくるようにして、反対側のフラットになっている部分は外から見えるようにして取り付けます。
取り付け向きは間違えやすいので注意しましょう。
貫通ナットのショートとロングの違い
貫通ナットは全長の違いによって、ショートタイプとロングタイプがあります。
ショートタイプの貫通ナット
全長が短いのが貫通ナットです。
ナットの全長が短いために、ホイールに取り付けると目立ちません。ホイールのナット取り付け部分を目立たなくさせる場合にも使えます。
ロングタイプの貫通ナット
全長が長いのがロングナットです。
ホイールのナットを取り付ける部分が奥まっている場合は、ロングナットを使った方が作業しやすいです。見栄えが良いからと、ロングナットを選ぶ人もいます。
貫通ナットの錆対策
貫通ナットはネジ穴部分に雨水が入り込むので、そのままにしておくと錆びていきます。
錆びるとナットを外せなくなるかもしれないため、錆対策は行った方が良いでしょう。
防錆剤を塗る
ナットに錆防止剤を塗ると錆を防げます。
元々ホイール自体には防錆処理がされているので錆びないようにはなっていますが、錆防止剤を塗れば、より錆びにくくなります。
そのため、ホイールとナット全体に錆防止剤を塗ると良いです。
また、コーティング剤を使っても錆を防ぐことができます。コーティングはご自身でコーティング剤を買って塗布する方法と、業者に依頼する方法があります。
錆に強いナットを使う
錆に強いナットを使うと錆びにくくなります。
保護膜が厚いナットを使う方法があり、膜によって錆を防ぎます。
また、ステンレス、アルミ、チタンなど、錆に強い素材で作られた貫通ナットを使っても錆が発生しないのでおすすめです。
こまめに洗う
ホイールの汚れはナットも汚し錆びさせる原因となるので、ホイールをこまめに洗えばナットに錆は発生しにくくなります。
洗車のときにホイールを一緒に洗う、または時間のあるときにホイールを洗えば良いでしょう。
ホイールを洗うときは、傷つけないように柔らかいブラシを使うようにしましょう。
洗車後は拭き上げをよく行い、ホイールに水滴が残らないようにします。水滴がついていると錆の原因になるかもしれないので注意してください。
貫通ナットを販売するおすすめメーカー
貫通ナットは、さまざまなメーカーが発売しています。
ここでは貫通ナットを販売するおすすめのメーカーを紹介します。
Deepa
ホイールナットの他に、デッドニングやブッシュリベットなどのカーパーツを取り扱っているメーカーです。
価格がリーズナブルで、メーカー保証のついた質の高い製品を販売している特徴を持ちます。
「純正部品は高い」と思っている人は、Deepaの製品なら手軽に使用できるかもしれません。
Deepaは通販サイトが開設されているので、自宅にいながら製品を探せます。
通常の貫通ナットは、取り付けピッチが1.25と1.5それぞれのサイズを販売しています。
・P1.25
・P1.5
黒系ホイールを装着している方には、ブラックの貫通ナットをおすすめします。
・P1.25
・P1.5