運転中にエンジンの騒音や風切り音、タイヤから発生するロードノイズがうるさく感じた経験はありませんか?
車は走行中に多くの騒音が車内に響きますので、ドライバーや同乗者は、知らないうちにストレスを感じてしまうこともあります。
そこでおすすめなのがデッドニングです。
デッドニングは車体の鉄板部分に「デッドニング材」と呼ばれる制震・吸音効果のあるシートを貼り、車内に響く不要な音を削減するカスタムです。
正しく行えば、車内の静粛性を大きく向上することができます。
しかし、デッドニングは施工部位や方法、使用する素材により効果が異なるため、あらかじめ正しい知識や施工方法を把握しておかなければ、失敗してしまうこともあります。
そこで本記事では、デッドニングの効果や有効な部位、ご自身でデッドニングを行う方法について詳しく解説していきます。
これから愛車にデッドニングをしようとお考えの方は、ぜひご一読ください。
デッドニングとは
デッドニングは「Deaden(何かを弱める・無効にする)」を名詞にした読み方です。音響工学の一部としても使われていますが、自動車業界では振動や騒音を抑えるカスタムとして認知されています。
デッドニングでは、車の鉄板部分に制震・吸音効果のある「デッドニング材」を貼り付け、
- 車体から発生するビビリ音や風切り音
- エンジンやタイヤから発生する振動やノイズ
- 車外から聞こえてくる騒音
などを軽減し、車内の静粛性を向上させます。
また、デッドニングは不要な音を吸収したり、反響を抑えたりするため、スピーカーの音質改善効果もあります。
そのため、音質にこだわりがある方は、スピーカー交換と同時にデッドニングを行うこともあります。
自動車に使われている防音材の役割
走行中の自動車からは、様々な周波数帯の音が発生しています。
エンジンのこもり音 |
30〜200Hz |
ロードノイズ |
30〜400Hz |
パターンノイズ |
100〜1000Hz |
エンジンの透過音 |
200〜5000Hz |
ギアノイズ |
300〜1500Hz |
風切り音 |
900〜10000Hz |
これらの音は、あらかじめ車体に取り付けられた「防音材」と呼ばれる部品によって、ある程度は抑えられています。
ちなみに主な「防音材」の有効周波数帯は、以下の通りとなります。
- 制震材・・・200~1,000Hzの固体伝播音に有効
- 遮音材・・・400Hz以上の空気伝播音に有効
- 吸音材・・・1,000Hz以上の帯域に有効
一般的なデッドニング材の多くは「1.制震材」に分類される、粘弾性のあるシートが使われています。
音の振動エネルギーを吸収し、熱エネルギーに変換する原理を利用し、エンジン音やロードノイズなどの低周波を抑えます。
また、デッドニング材の中にはフェルトやスポンジを使った吸音効果の大きいものもあり、こちらは風切り音などの中・高周波に効果的とされています。
ちなみにDeepaから販売されているデッドニング材は、制震性の高いシート状のものが使われており、専門の研究機関で制震性を計測し、優れた性能を持つことも実証されています。
グラフの縦軸「損失係数」はエネルギーを吸収する大きさの値で、この数字が大きいほど(1に近づくほど)シートの制震効果が大きくなります。
また、グラフ軸が横に並行移動するほど、幅広い温度域で安定した制震性を発揮します。
したがってDeepaのデッドニング材は、温度変化にとらわれず、どのような音に対しても優れた効果を発揮します。
デッドニングの効果
デッドニングの効果は、次の4つがあります。
- 制震効果
- 吸音効果
- バッフル効果
- 断熱・遮熱効果
①【制震効果】ロードノイズやエンジン音を低減
車はロードノイズやパターンノイズ、エンジンの騒音やミッションの機械音など、走行中に様々な音が響きます。
これらの音は注意して聞き取らなければわからないものから、顕著にうるさく感じるものまで様々な種類があります。
そして音の中には、無意識に体に疲労を感じさせてしまうものもあります。長時間車に乗り続けると必要以上に疲れてしまうのは、この音が原因であることも少なくありません。
デッドニングをすれば不用意な音を抑えて快適なドライブができるようになります。
②【吸音効果】風切り音や車外からの騒音を低減
車は走行中に風切り音や周囲の車の排気音など、外からも様々な音が入ってきます。これらの音もデッドニング材が吸収してくれます。
最近の車は製造コストの削減のために、防音対策自体が少なくなっていますので、デッドニングの効果が、よりはっきりと感じられるでしょう。
③【バッフル効果】スピーカー・オーディオの音質向上
デッドニングはオーディオの音質改善にも効果を発揮します。
車のスピーカーはドアパネルに取り付けられていますが、このスピーカーには、音の共振を抑える「インナーバッフル」と呼ばれる部品を介して車体に固定されています。
しかしドアパネルには空洞が多いため、インナーバッフルだけでは音の共振を完全に抑えることができません。
そこで制震性の高いデッドニング材をスピーカー背面に貼り付けると、音の共振が抑えられ、音がクリアに聞こえるようになります。
また、デッドニング材で低音のノイズをシャットアウトすれば、低音の音声が聞き取りやすくなります。実際に「ベースやドラムの音が鮮明に聞こえるようになった」という声も多くあります。
④【断熱・遮熱効果】車内温度の維持
車は基本的に屋外にさらされているため、日光で温められたり、反対に冷気によって冷やされたりと、外気の影響を受けやすくなっています。
デッドニング材は断熱・遮熱効果も持つため、ルーフやドアに施せば、日光の熱を遮ったり、エアコンの冷気が外に漏れるのを防いだりできます。
実際にデッドニングされた方の声
実際にデッドニングを行った方の声も見てみましょう。
- 車外への音漏れが減った
- 冬場は車内が暖かくなった
- ドアを閉めた時の重量感が増した
- 運転中のロードノイズが減ったため疲労が低減された
- 音量を上げなくてもスピーカーの音が聞こえるようになった
軽自動車に施工した方の中には「ドアを閉める時の感覚が普通車のようになった」と驚かれている方もいました。
また、デッドニングを行った方の多くの意見に、スピーカーの音質が向上したという声もありました。
- 立体感が出た
- 全域が整った
- こもりが無くなった
- 低音域が良くなった
- クリアに聞こえるようになった
- 高音が滑らかに、低中音域は厚みが出るようになった
このように、実際にデッドニングをされた方は、その効果をしっかりと体感いただいていることがわかります。
一方で、実際にデッドニングを行った方の中には「効果を感じられなかった」という意見もありました。
ただ、その意見を深掘りしてみると、水抜き穴やクリップ用の穴を防いでしまったり、正しい部位に貼っていなかったりと、ご自身で誤った施工をしてしまっているというのが原因として多かったです。
デッドニングのデメリット
正しく施工を行っていたとしても、少なからずデッドニングをすることで生じるデメリットも存在します。
- スピーカーの音域が変わる
- 車体の重量が増える
- 定期的に貼り直す必要がある
- 時間がかかる
1.スピーカーの音域が変わる
スピーカー付近にデッドニングを行うと、不必要に低音が強調されたり、本来必要とされている音まで消えてしまったりと、元々の質感バランスが崩れてしまうことがあります。
もちろんこの変化が音質改善に繋がることもありますが、場合によっては違和感として感じることもあるようです。
その場合、スピーカー付近に貼るデッドニング材の量を減らして対応します。
2.車体の重量が増える
制震性の高いシートは、ある程度の重さがあるため、デッドニングを行うと必ず重量が増加します。
業者に頼んで全体をくまなくデッドニングしてもらおうとすると、ドアだけでも数キロ、フルデッドニングとなると数十キロ単位で重くなります。
少しでも燃費や運動性能を損いたくないと考えている方は、デッドニングによる重量増に対し、どこまで妥協できるかを十分に検討しておいた方が良いでしょう。
3.定期的に貼り直す必要がある
デッドニング材の耐用年数は10年程度と言われていますが、施工時にローラーでしっかりと圧着できていないと、粘着面が先に寿命を迎えます。
どんなに粘着力が強くても、熱や水気の影響で剥がれてくるため、定期的に貼り直す必要が出てくるのです。
長期間デッドニングの効果を維持し続けたいとお考えの方は、数年に一度の貼り直しを頭に入れておくようにしましょう。
4.時間がかかる
デッドニングは、内装パーツを取り外したり、シートを形状に合わせてカットしたりと、ある程度の工数が必要です。
車のカスタムに慣れている人が行ったとしても、数十分〜1時間程の時間が必要ですので、初めて作業を行う方は、少なくとも半日程度は見込んでいた方が良いかもしれません。
最近は取り付け解説動画も多く出回っており、ご自身でデッドニングを行うハードルは下がってきています。
当社の公式LINEでも、取り付けに関するアドバイスもさせていただいていますので、ご利用ください。
デッドニングに有効な部位
デッドニングは、行う部位によって効果が異なります。
- ドア
- フロア
- ルーフ
- エンジンルーム
- タイヤハウス
それぞれどのような効果があるのか見ていきましょう。
①ドア
ドアは空洞部分が多く、音が逃げたり反響したりするため、デッドニング自体の効果も感じ取りやすいと言えます。
例えばドアパネルの穴を防いだり、ボディ側の鉄板に制震性の高いデッドニング材を貼ったりすると、ドア全体の振動が減り、車外から響く音やロードノイズが低減できます。
また、ドアを閉めた際の音が、より重量感のある音に変わります。
さらに、スピーカー付近にデッドニングをすると、スピーカーから発する音の振動を低減し、音質が改善します。
②フロア
フロアはロードノイズやマフラーからの排気音など、車体の振動を多く拾うため、制震効果のあるデッドニングを施すと、走行中のノイズを大きく低減できます。
ただし、デッドニングを行うには内装やシートを取り外す必要があるため、ご自身で行うには少々ハードルが高いかもしれません。
③ルーフ
車の上部を覆うルーフ面にデッドニングを行うと、雨音や風切り音が抑制できます。
また、フロアから伝わってくる音の反響も抑えることができるため、車内全体が静かになります。
それ以外にも、ルーフデッドニングは直射日光による温度上昇を防ぐ効果もあります。
特に黒系のルーフの塗装面は、夏場になると80℃以上になると言われていますので、ルーフ面にデッドニングを行えば、その熱が車内に侵入するのを防いでくれます。
④エンジンルーム
エンジンルームにデッドニングを施せば、エンジンやファンの振動を直接的に抑えることができます。
制震性のあるものを貼ればエンジンからの振動を抑制し、吸音性のあるものを貼ると直接エンジン音を抑えることができます。
また、元々振動が大きいディーゼルエンジンを搭載している車両にデッドニングをすれば、より大きな効果が期待できるでしょう。
⑤タイヤハウス
タイヤに最も近いタイヤハウスをデッドニングすると、ロードノイズを効果的に抑えることができます。
タイヤを囲むように取り付けられているタイヤハウスの樹脂パーツを取り外し、鉄板部分に制震性のあるデッドニング材を貼り付けます。
さらにロードノイズを抑えたい方は、ドアやフロアのデッドニングと組み合わせることをおすすめします。
デッドニング材の種類
デッドニング材の多くは、低音域に効果的な制震材が使われていますが、それ以外にも高音域に効果的な吸音材タイプや、吹き付けタイプもあります。
- シートタイプ
- 吸音材タイプ
- 液体タイプ
代表的なデッドニング材についても詳しくご紹介していきます。
1.シートタイプ
シート状の貼り付けるタイプのデッドニング材で、最もオーソドックスなタイプです。
シートは比較的厚めに設計されており、湾曲部や細かな形状の部分に貼るには、ある程度の技術が必要です。
ただし、部位に合わせてカットでき、重ね貼りもできるため自由度は抜群。低コストで簡単に加工できるため、ご自身でデッドニングをされる方に最も向いている素材だと言えるでしょう。
2.吸音材タイプ
スポンジやフェルトが主なデッドニング材で、主に高周波域の音に効果があります。
また、シートタイプと組み合わせて貼ることで、低音域から高音域まで幅広くカバーすることもできます。
ある程度の軽さもありますが、シートタイプよりも体積が大きいため、場所によっては貼り付けが困難なこともあります。
3.液体タイプ
ホイールハウスやアンダーフロアに直接塗ったり吹き付けたりするタイプです。
湾曲部や複雑な形状にも隙間なく施工でき、一度塗ると半永久的に効果を発揮します。ただし、シートタイプのように剥がすことができません。
また、液体タイプのデッドニング材はほとんど一般流通していませんので、専門業者に行ってもらう必要があります。
Deepaのデッドニング材なら低コストで効果が期待できる?
デッドニングをするためには、内装パーツの取り外しが必須です。
そのため、もしデッドニングを業者に依頼するとなると、
- デッドニング材の材料費
- デッドニングの施工工賃
- 内装パーツの脱着工賃
が必要となり、数万〜数十万単位で費用が必要です。
※デッドニングに必要な費用については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
また、少しでも費用を抑えたいとお考えであれば、ご自身でDIYを行うことをおすすめします。
ある程度のお車を分解する知識と工具を揃えられている方であれば、デッドニング材と圧着用のデッドニングローラーをご購入いただくだけで済むかもしれません。
そうなると、デッドニングにかかる費用は数千円程度に抑えられるでしょう。
デッドニングを自分で行う方法
ここからは、ご自身でデッドニングを行う方法についてご紹介します。
※デッドニングは部位や車種によって手順や難易度が大きく変わります。
当社Deepaでは、デッドニング材の取り付けに関して、できる限りのサポートをさせていただきます。
LINEからお問い合わせいただくと、個別に取り付けのサポートも行わせていただきますので、お気軽にお問い合わせください。
必要なもの
デッドニングを行うには、以下のものが必要となります。
- カッター・ハサミ・・・デッドニング材のカット用
- ドライバー・つめ外し・・・内装パーツの取り外し用
- デッドニングローラー・・・デッドニング材の圧着用
- パーツクリーナー・ウエス・・・貼り付け部位の脱脂・洗浄用
- マーカーペン・・・貼り付け位置や大きさのマーキング用
-
マスキングテープ・養生テープ・・・デッドニング前の養生用
ご自身でお車のカスタムを行った経験のある方であれば、既にデッドニングローラー以外の道具が揃っているかもしれません。
デッドニングローラーは当社Deepaからも販売しています。
こちらはあらかじめ幅の異なる3サイズがセットになっていますので、効率良くお使いいただけます。
デッドニングの手順
デッドニングの手順は、以下の通りとなります。
- 内装パネルを外す
- 貼り付け位置の確認・カット
- 貼り付け部位の脱脂・洗浄
- デッドニング材の貼り付け
- 内装の取り付け
もちろん施工部位や車種によって細かな手順は異なりますが、流れはほぼ同じです。
①内装パネルを外す
まずは内装パネルを外していきます。
事前に傷を付けたくない場所にマスキングテープや養生テープを貼り、ドライバーやつめ外し(樹脂製のものを使用)を使って内装パーツを外していきます。
②貼り付け位置確認・カット
内装パーツを取り外したら、デッドニング材の貼り付け位置をマーキングします。また、デッドニング材を適切な大きさにカットしていきます。
③貼り付け部位の脱脂・洗浄
内装パーツを取り外したら、デッドニング材を貼り付ける部位をパーツクリーナーで洗浄・脱脂します。
鉄板部分には見えない油分や汚れが付着しているため、きちんと洗浄できていなければ、すぐに剥がれてきます。
施工後の効果やデッドニング材の寿命にも大きく関わるため、念入りに行いましょう。
④デッドニング材の貼り付け
マーキングにした位置に合わせてデッドニング材を貼り付けていきます。
まずは車体側の鉄板(アウター側)から貼り付けていきます。
アウター側はビームやスチフナーがありますが、裏面には防振用のシーリング材があるため、それを避けるように貼り付けていきます。
インナーパネル側は、サービスホールを塞ぐようにデッドニング材を貼ります。
また、配線を固定しているクリップ類が手で動くようなら、この機会にテープで固定しておきます。
⑤内装を取り付ける
デッドニング材を貼り終えたら、外した内装パーツを取り付けていきます。
デッドニング材を貼る時にボルトやクリップの穴を塞いでいると、内装パーツ取り付け後に部品が浮いてきたり、ガタ付いたりします。
部品がしっかり装着されているかの確認は、念入りに行いましょう。
自分でデッドニングを行う際の注意点
デッドニング材は部分的に貼るのではなく、面全体で振動を吸収できるように、鉄板部分全体に貼るようにしましょう。
また、デッドニング材は鉄板に圧着してこそ効果を発揮します。
シワができないように丁寧に貼り付けた上で、デッドニングローラーやヘラを使って入念に圧着していきましょう。
内装パーツは樹脂やプラスチックで出来ていることが多く、ツメやピンで固定されていることがほとんどです。
取り外す時はつい力一杯引っ張ってしまいがちですが、傷を付けたり、ツメを折ってしまったりする危険があるため、取り外しは慎重に行いましょう。
Deepaのデッドニング材を使って低コストで快適な車内空間を実現!
デッドニングは、走行中に車内に響く音の低減や、オーディオの音質向上、車内の室温改善と、様々な効果があります。
人によっては効果を感じられないという方もおられますが、適切な位置に適切なデッドニング材を貼れば、すぐに十分な効果を実感できます。
ご自身でお車のメンテナンスを行う方であれば、DIYでデッドニングを行うことも可能です。
Deepaから販売しているデッドニング材は専用素材でカット済みとなっているため、使いやすくて価格もリーズナブル。シート単体であれば3,000円以下でお試し可能です。
お手軽にDIY可能
また、ドアデッドニング用に制震材と吸音材、ヘラやデッドニングローラーなどの施工用工具が全て揃ったセットも販売しています。
ドアデッドニングキット(2枚セット)
ドアデッドニングキット(4枚セット)
さらに、当社Deepaでは、LINEによる無料ご相談も承っております。
安心してデッドニングに挑戦いただけるように、取り付けに関するサポート体制も整えております。
デッドニングに関して少しでも疑問に思うことがございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください!